ダイヤモンド誕生の神秘

  ダイヤ原石そ〜破る ダイヤモンドが誕生したのは、恐竜たちが世界を支配していた頃より、天空の月が光を放つよりも、ずっとずっと昔のことです。広大な宇宙の片隅にある太陽系。その中の小さな惑星、地球が生まれます。 その地球の内部130~200キロメートルのマントルの中で、眠っていた炭素に、突然、恐ろしいことが起こります。想像も及ばない7万気圧。そして最低摂氏2000度の高温。それらが、炭素たちに一気に襲い掛かります。 身を押しつぶされる圧力と焼き尽くされる高温に彼らは耐えました。 そして、それに耐え抜いた炭素たちだけが、氷のカケラのようなダイヤモンドに生まれ変わったのです。 今から、約33億年前の出来事です。 月が形作られたのは、11億年前。 恐竜が地球に君臨したのは、2億年前。 ダイヤモンドは、それらよりずっと昔からこの世に存在していたのです。 最深部では、「オクタヘドロン」と呼ばれる八面体、浅い場所では、「キューブ」と呼ばれる6面体に結晶するようです。 しかし、せっかく生まれてきたダイヤモンドも、マントルは移動するので、温度と圧力の変化で表面から溶解を始めてしまいます。 多くの結晶が丸みを帯びたりデコボコなのは、そのためです。 溶け去ってしまう運命を救ったのが、マントルに生じた裂け目です。 岩石に混ざって、そこを伝い一挙に地表に吹き出して、含まれているダイヤモンドを急冷しました。 そして、生き抜いたダイヤモンドだけが、燦然と輝いているのです。