ロシアでは、1991年から3年ほど 年間7000%というすさまじいハイパーインフレが吹き荒れました。ハイパーインフレに関してだけでは、あらかじめ物に換えたり、外貨に替えておけばなんとかなる。問題は1994年に突然「デノミ」が実施されたことである。自国の通貨の価値を突然1000分の1にするという強攻策。これで国民の財産はほとんどパーになったのである。
7000%のインフレ時は、銀行金利も7000%近くあるので、目減りはするがある程度の金利があるので、自国の通貨で銀行預金をしていたのです。
それが突然、1000分の1にされたのだ。つまり、1000万円が1万円。1億円が10万円。
100億円が1000万円になったのである。
そして、最後に1998年、ロシア国債のデフォルト(債務不履行)が行われた。
ロシア国債が紙切れ同然になったのです。購入していたのはほとんどが外国人だったのですが、ロシア国民にとってはどうなるかというと、ずばり預金封鎖です。ロシア銀行に預けていた預金は全部国に取られ、貸金庫の財産まで没収されたのです。