エマイユの色彩 基礎

ガラスの主成分である珪酸に様々な金属を溶かし込むことで、宝石に負けない色彩をもつようになる素材を、微細な粉末にして金属表面に焼き付けることで色彩を表現することを「エマイユ(七宝)」といい、装飾の一役を担っていました。

紀元前4000年、古代エジプト時代から使われてきたエマイユ。14世紀にはヨーロッパ王侯貴族が権力を誇示するジュエリーや調度品に使用し、16世紀、フィレンツェのベンヴェヌート・チェリーニが近代的な技法を駆使して豪華なジュエリーや装飾品を作るようになります。そして、ラリックたちアール・ヌーヴォーのジュエリーに伝わっていくのです。

アールヌーヴォーの作家たちは、宝石の色だけでは表せない色彩、宝石に勝るとも劣らない美しさを演出して見せました。

 

写真は、中嶋先生の作品