ジュエリーの選び方に変化

最近、感じるのだが若者たちのジュエリーの選び方が変わってきている。

私たちは、百貨店販売で培った「小さくても本物を」を買う喜びをお客様と共感し、日本独特の市場が形成されていた。そしてジュエリーは日本人の大衆に身近な存在になっていった。

しかし、昨今の若者はたちは、誰もが価値を見出した従来のジュエリーに違和感や物足りなさを感じ、「自分らしいスタイルへのこだわり」への価値観へ動き出した。

毎日の生活の中でリアルに使え、味わいが自分の感覚にピタッとくるジュエリーを求めているようだ。

商品のデザインはもちろん、天装・カタログ・販売員などを含めたブランドの世界観が今の気分に合うかどうかを嗅ぎ分けているのだ。

この世代は、素材価値だけでは動かない。品位の低い金はアメリカでは一般的だが日本にはなじまないといった定説が地金の高騰によって簡単に覆ってしまった。

プラチナもホワイトゴールドも銀色のものは全てシルバーと呼ぶ。ダイヤモンドとクリスタルを同じキラキラ素材として捉えている。

けれども、割り金の差による微妙な色にこだわり、石の価値に関係なく色や形のニュアンスを楽しんでいる。

物が溢れる時代の余裕なのでしょう。この若者たちが歳を重ねて後に購入するジュエリーはどんなものを選ぶのだろう?私はもう引退しているが、そのころも今と同じで価値を求めてほしいと感じる。