中嶋先生の作品を鑑賞して・・・

中嶋邦夫先生の作品を手に取ってじっくり鑑賞することができました。エマイユ技術や色彩のバランスなどは、もちろん素晴らしいのですが、やはりなんといっても地金加工技術の精度と仕上げは、他の職人さんの手本としていただきたいものです。エナメル細工を施すため、素地となる地金は徹底的に綺麗にしなければならず、酸洗い液でよく洗い地金をきれいに磨き上げています。流水を金属に垂らしたとき水が小さい粒になってコロコロ転がるのではなく、金属面全体にムラなく流れるようになるまで、重曹をつけてブラシで全体をこするそうです。

その後、エナメル作業の準備が整うまで蒸留水に浸しておき、ペーパータオルで水分を取り、不純物が一切残っていないことを確かめてからエナメル作業に入るらしい。

この経験が、すべての作品の緻密で繊細の部分でさえも、磨き上げ仕上げをして他類なき作品になっているのでしょう。