真珠を取り巻く概況

日本の真珠の生産量は、2011年の東日本大震災の津波の影響で三重県の養殖場が被害を受けて大幅に減少しましたが、以後、徐々に立ち直ってきており、海外販売が好調で、その恩恵により回復してまいりました。

真珠はまず稚貝から育てられます。以前は海中に杉の枝などに吊るして、付着させた稚貝を育てる天然採苗が中心でしたが現在は水槽で養殖する人口採苗がほとんどです。育てた稚貝は真珠母貝業者に売られ、1年~2年かけて母貝に育てて養殖業者に販売します。

養殖業者は、核と外套膜を貝に挿入して真珠層が巻くのを待ちます。核は、アメリカ産の淡水真珠の核を製核業者研磨して作られるのが理想ですが、最近は安い中国産淡水真珠の核が8割を占めるようになりました。

浜揚げされた真珠は選別されて漁協・組合単位で行われる仕入れ会で入札されたり、卸業者と個別に「示談」で売買されます。

真珠卸メーカーは、染み抜き・漂白・調色で色を整えて、穴あけをして製品にします。

そして、小売店やジュエリーメーカーに卸されて店頭に並ぶのです。