ダイヤモンドの偽物

あえてタイトルは「ダイヤモンドの偽物」としました。今年1月末のジャパンジュエリーフェア(JJF2019)で、一番の話題となり、テレビなどで、おもしろおかしく取り上げられておりました。消費者の購買欲を掻き立てるようなプロデュースならいいのですが、不安や不信を煽るような取り上げ方だったので、ジュエラーとしての私の個人的な感想や捉え方を長々と説明したいと思いました。

そもそも炭素を高温高圧にすることでダイヤモンドの結晶が出来上がることは、私が宝石の仕事を始めた35年前から知られていました。30年ほど前には0.30ct程度までのダイヤモンドの人工的に作ることも可能になってきました。

しかし、高度の技術力や資金力もいることで天然ダイヤモンドのほうが手に入りやすい状況だったのです。

それから30年経ち、高度な技術力の向上によって少しづつ合成ダイヤモンドが量産される事態となり、慌てだしたのが5年ほど前。

もともと、人工で作ったダイヤモンドは蛍光性が無いため(蛍光性の無い天然ダイヤモンドも0.01%ほど存在する)、まず簡単な簡易の機器で蛍光性検査をすることにより、偽物はほぼ100%判別されます。

これは、ボールペンのような小さな機器(300万円くらいはします)の先でダイヤモンドに触れると簡単に判別できるので、大手の企業やお店ではこの機器を準備して入荷したダイヤモンドをすべて検査しています。

5年前、在庫を一斉に検査したとき、数点の商品の取り巻きの小さなメレダイヤのなかに数ピース偽物が混じっていました。それらのダイヤモンドはすべて取り替え、現在の在庫商品や新たな仕入れ商品についても検査後でないと販売しないので、当店のお買い上げダイヤモンドについては、安心であることを先にお伝えしておきます。

さて、明日から少し深く、お話したいと思います。

つづく・・・・