パラジウムとは?

パラジウムの主要な産地はロシアと南アフリカで、年間産出量はおよそ200トンと金と比較して10分の1以下に過ぎません。パラジウムは、基本的にはプラチナやニッケルの副産物として産出されるため、産出量は主産物の産出動向によっても左右されてしまいます。

産出されたパラジウムは貴金属としてではなく、自動車の排気ガス浄化システムの触媒として用いられていて、主にガソリン車に好んで搭載されています。同じ貴金属のプラチナもディーゼル車向けの排気ガス浄化システムに使われますが、こちらは近年の排ガス規制強化によるディーゼル車の減産を受けて、需要が減少傾向になりました。

各国の排ガス汚染に対する取り締まりが厳しくなり、自動車メーカーは、排気ガス浄化システムに使用するパラジウムの量を増やす必要に迫られていて、その一方で、パラジウムが8年連続で需要を下回る量しか産出されないため、価格が急騰しているそうです。まさに製造業者がパラジウムを奪い合っているのが現状です。

プラチナの以前の高騰は、同じ原因で、1998年から10年間で500%もの値上がりを記録しました。

パラジウムも、2020年には2,000ドル(約22万円/1オンス)かそれ以上の価格になることもあり得ます。